東日本大震災ボランティア 5th(仙台市若林区)参加

弊店のピザ企画で使用する仙台味噌の勉強のこともあり、再度仙台に出向くこととなった。
今回も日数に限りがあり、しかも仙台である程度の時間を要する必要性もあるので、場所はかなり限られてくる。発災後3ヶ月が経とうとする中で、その復旧の状況が遅れ気味である場所をネットから探し出してみたところ、仙台市の沿岸部が該当した。
ニュース等で流される南三陸や気仙沼、石巻、そのほか岩手県、福島県の情報に衝撃を受け、ほとんどのボランティアが支援場所として選択されているのだが、仙台駅からバスで20分の場所に手つかずの地域が残されている。
早速ボランティアセンターへ連絡を取って、該当日の復旧活動状況を確認し、現場に乗り込む準備を取りかかった。今回は、事前に土のう袋が不足しているとのことなので400袋を用意し、ついでに蚊取り線香もほりこんだ。

土曜日の夕方、バスの乗り場である梅田スカイビルまでの人込みの中、13kg程ある土のう袋を備えての移動はさすがにきつかったが、かろうじて雨はやんでいたので、これまた幸い。
7:30、梅田を出発。いつものように3時間ごとの休憩で起こされる、草食動物のような睡眠には、いまだ馴れない。
 12時間後、仙台駅について、さらに沿岸部行きの市バスに乗り継ぎ、岡田というバス停で降りると、今回お世話になった、仙台市災害ボランティアセンター 岡田サテライトに到着。
岡田サテライトって、なんだかよくわからない存在であったが、この6月から、予算の関係で、仙台市にあった北部の南部のボランティアセンターが一つに統合されたそうなのだが、その必要性を鑑みて、岡田という場所を中心として、賄いきれないほとんどの場所を出向く精鋭部署のような存在である。
これまで訪れたボランティアセンターの様子とは全く違う勢いがそこにはあり、予算という大人の事情で見切られた復旧箇所への活動サポートに、一丸となって取り組んでおられた。
皆さんはとても元気で明るい。社共を中心とした活動でみられるもたもたした感は微塵もないので、とても気持ちよく活動に取り掛かれる。


 早速、持ち込んだ土のう袋と蚊取り線香を手渡すと、たいそう喜んでいただけた。基本的には社共を中心としたセンターでなくなったため、物資が勝手に送られてくることがないようで、必要に応じて仙台市ボランティアセンターから配給を受けているそうだ。
国がもたついている間に地方自治で展開されている、何とももどかしい一面である。

 9時に到着して準備すると、すぐに10名が招集。二台に自家用車に乗り込み、若林区の沿岸部、閖上地区で知られる名取川の河口付近で、高速道路の東側に位置する農業を営む民家(大きなお屋敷)でお手伝いすることとなった。
途中で見た光景は、道路は確かに車が通る道路で、それ以外に存在するものは、傾いた電柱のみ。家はほとんどが全壊し、田畑には車や冷蔵庫、自販機と無数のガレキ。三ヶ月たった現在、これまでなされた活動は、道路の整備と遺体捜索のみで、後はそのままの状態である。
訪問した民家の方にいろいろとお話を聞くと、2~3メートルの水位になったものの、かろうじて沿岸部との間に植込みがいくつかあったために、津波の勢力が緩和されて助かったとのこと。それでも、流される数人を助けることができなかったと悔やまれておられた。

 作業は、納屋の泥掻きと、U字側溝部の泥掻き。
手分けして作業にあたるが、なかなか一筋縄ではいかない。防風林であった松の枝が泥に絡みこんでスコップがまともに刺さらない。泥以外にも、大小のガレキやガラス、金属片や鉄製の鎖類など、いろんなものも除去していくと、結構すぐに体力を消耗していく。幸いなことに、曇り空で気温はそんなに高くないので助かった。
昼を過ぎたあたりで、仙台市ボランティアチームが10名ほど応援に入った。見るところ、服に汚れがないきれいな格好で、この現場に着いたのが昼過ぎ。流石にモタッとした感が・・・。
とはいうものの、人数が増えたおかげで、作業終了3時には一区切りといえるところまで進めることができた。スコップ、猫車などを整頓し、岡田サテライトに戻る。

 思ったよりも早く4時過ぎに仙台駅に戻ってきたので、味噌について勉強することにした。
日曜日なので、蔵(製造所)は閉まっている。地元で評判の佐々重という店舗を教えてもらい、徒歩で向かった。
小一時間ほど、お話を聞かせていただいたが製造方法など専門的なところまでは理解できないので、四種ほど持ち帰ることにした。素材や手法によって違いがあるそうなので、早速試してみよう。

(現状)
国の方針が明確でないため、とにかく地方自治はかなり困惑しおり、復興の妨げになっているのは間違いない事実。
既に人災だと民主党を揶揄するその姿を含め、国に対する失望は高まるばかりである。
政策を打ち出さない限り、末端まで動けずにいるといった現況は、継続した人災と考えられて当然だ。

(参考)
観光庁が推進している「ボランティアツアー」などの情報(レスキューナウより)
◆被災地でのボランティア活動と観光振興をセットにした「ボランティアツアー」を推進
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_000096.html
◆各社によるボランティアツアー商品[PDF:111KB]
http://www.mlit.go.jp/common/000146699.pdf
◆助け合いジャパン「ボランティアツアー募集状況」
http://tasukeaijapan.jp/?page_id=3813

◆東北方面でのボランティア活動をお考えのお客様へ(JAL)
http://www.jal.co.jp/dom/info/tohoku/
◆週末割引(ANA)
http://www.ana.co.jp/dom/promotion/fare_wd/