第八回 点訳技術講習会

平成14年11月21日(木)
2002年度点訳技術講習会 第八回 レポート

 前期の講習も残りわずかとなってきた。点字の表記と分かち書きを今まで教えていただいたのであるが、そのボリュームは、かなりのものである。教わった量からすると、私自身の満足度では、40%程。これを人に伝えるとなると20%程の出来ではなかろうか。
以前から、努力しなければならないことはわかっているのだが、なかなか時間が取れるものではない。いつのまにか自分自身に対する甘えも出てきているせいもある。とにかく数をこなさなければならない。この場合は、こうだという理論も、体で覚えなくては何にもならない。
回を重ねるにつき、その応用がいくつか有り、新しく学ぶのは以前に習ったものに加えて進む。ああ、これはどうだったっけ、ではとても追いつけないスピードである。

 今回は、記号・符号・囲み記号の表記であった。勿論、その応用は過去に習ったものを多く含む。
句点 ・・・原則として原文どおりに表記する。次の文頭は2マス空ける。句点の後に括弧やカギの閉じ記号がくる場合は、続けて書く。
読点 ・・・読点の後は1マス空ける。数字が重ねて書いてある場合は、省略して数字だけ書く。5,600円→(数)5600(つなぎ符)エン
(注)箇条書きで「一」「一、」は、数字で表し、読点を句点に置き換える。「ヒトツ」と読む場合は、仮名書きする。
中点 ・・・原則は墨字どおりであるが、分かち書きとの関係などで原文にある中点を省いて書く場合がある。「七・五・三」→(数)7(数)5(数)3 のように中点を省く。
疑問符・感嘆符 ・・・表記方法は句点と同じである。疑問符は、2・6の点。感嘆符は、2・3・5の点。よくあるのが続けて書く場合(?!)であるが、この場合、マスをあけずに続けて表記する。
囲み記号 ・・・基本的に全て、囲み内側に続けて書くが、外側は原文による。
カギ ・・・必ず、閉じ記号を忘れてはならない。第一カギ 「・・・」 会話文や強調、引用文に用いる。二重カギ 『・・・』 会話文中の会話の引用、書名、雑誌名、新聞名など。第二カギ “・・・” 第一カギの中で特に強調して表す。
括弧 ・・・説明や挿入に用いる。順番などを表す数字の①②・・・などは、(1)(2)・・・を使う。
A ( B ) とある場合、BがAに対する説明の場合は、括弧の次はつなげる。Bが別のことを表現する場合は、括弧の次は一マス空ける。
線類 ・・・棒線(――)は、2マス使って表示し、前後1マス空ける。点線(...)は3マス使って表す。
  墨字の場合は、特に視覚的に目立たせるために記号を多様化するが、全てを点字で表すのは問題であるとし、上記に挙げたものがほとんどである。

 全般を通して、一通り点字に関することは講習を受けたことになる。あとは、段落など、実際のケースをどのようにして点字で表すかというところを残している。この時点で、先に述べたとおり、きっちり抑えていない部分が沢山ある。数字、アルファベット、分かち書きなどである。分かち書きにいたっては、まだまだ自信がない。先日の宿題を返していただいたが、予想通り、真っ赤であった。気の毒なほど、訂正を入れてくださっていた。補助動詞、助動詞、サ変複合動詞など、いたるところで分かち書きがうまく表記できていなかった。確かに教わったことを思い返すとそのとおりである。まだまだ私の中で、感覚がずれているのだろう。そこにはルールがある。そのルールを身にしなければならない。そんなメッセージであった気がした。

 この講習がひととおり終わった後、後半は、前回の宿題を隣の方と読みあわすこととなった。まず、私から読むこととなったが、とてつもなく時間がかかった。自分自身の直感で読むことになれている為、一文字ずつ確認しながら読んでいくことは非常に時間がかかる。
墨字の場合、まず文を読むときは、全体を瞬時に把握し、文字を文頭から追い、先に含む文字をどんどん見ていくことで感覚により文を理解し、読んでいると言える。
今、私達が取り組んでいる点字はそうではない。目で追っていくことは出来ないのだ。触読が出来るわけでもない為、一文字ずつ、多くても3文字ほど先をつなげて読むしかない。こんなふうに読むことで、その文の意味がまったくといっていいほど、記憶にもない。触読がままならない我々にとって、おそらく前者に挙げた墨字のように、先を目で追えるほど、点字を見慣れることにより、精通しなければならない。
  数多く読むことが、現時点でしていかねばならないことであろう。その中で、分かち書きのパターンも次第にみえてくるはずであろう。
毎回、反省の連続である。

(宿題)
*点訳
  前回の宿題の読みあわせにて、相手の方の文を点字化する。

(つづく)