長岡雪害ボランティア(新潟県長岡市)参加 2月5日

日本中が寒波に見舞われたここ数日で、大雪による被害が大きかった新潟県に除雪のお手伝いに出向いてきた。新潟県の中越に位置する長岡で募集があったので早速申し込み、夜行バスを手配。
高齢の老夫婦やおひとりで住まわれてる方などのお宅を除雪する作業である。

定刻より少し遅れて長岡駅前でバスを降りた。
長靴に履き替え、足下のおぼつかないまま、駅から徒歩20分ほどで集合場所である長岡防災センターに到着。早めについたので、やることもなく待つこと一時間、気が付けば40名ほどが集合していた。
本格的な除雪作業は初めてであったため、スコップやスノーダンプの取り扱い方からカンジキのつけ方まで、地元の方に一通り教わった。

9時を回り、長岡市の社協の職員の指示で5~6名の班に分けられ、センターから車で20分ほど車で移動した集落の中の一軒の民家についた。
早速住人であるおばあさんにあいさつを済ませ、依頼を受ける。
庭先から玄関口まで背丈以上に降り積もった雪を除去するのだが、今後の降雪を考慮し、幾分かのスペースを設ける必要もあった。さらに外出するに支障をきたさないような状態にするため、底に張り付いた氷も取り払わねばならない。
限られた時間の中、できる限りのことをすべく、担当別に分かれて作業にかかる。
約二メートルを超える雪の壁を取り壊し、氷を割りながら地を出し、道路に掻き出し、それを対岸の雪壁の向こうに放り投げる、といった一連の作業。
なるほど手強い。最初は不慣れなために無駄に力が入って長続きできないでいたが、同行メンバーに教えを受け、何とか役立つ程度に慣れていった。30分毎に休憩をはさみ、約2時間で地元の方も納得できるだろうところまで作業を終わらせることができた時点で、おばあさんにみてもらう。
そっけない素振りとは裏腹に、顔をくしゃくしゃにして喜んでおられたのがとても印象的であった。


早めに終えることができたので、一度センターに戻ることとなった。他に依頼があれば昼から別のエリアに出向いていくのだ。しかし、センターに戻ってみると多くの方がすでに帰り支度。
依頼のすべてに対応し終えて、完結状態だという。聞くところによると、本日が募集した期間の最終日で、これまでの作業が思いのほか捗ったために予定を終了したそうだ。たいそう喜ばしいことである。
ただ、来週もう一度寒波がやってくるらしいので、その状態をみて今後を検討されるそうだ。

予想外に昼までの作業となってしまった。
駅まで班のメンバーに送っていただいたのだが、これといってすることもないので、土産を物色し、地の食事をとって、列車で帰路についた。

短い時間であったが、とても疲れた。足場も、たまに落とし穴状態のトラップが多く点在し、雪は三種の重さがあり、氷も二種でとても頑固な奴もいる。簡単そうに見えてなかなか重労働である。
毎年が多くの世帯で雪による大変な悩みを抱えておられる。
今回の作業では屋根の雪下ろしはボランティアではできない作業なのだが、聞くところによると、通常では一般の家屋の雪下ろしに一回10万ほどかかるそうだ。冬の時期、地元の土建屋は道路の除雪作業をし、工務店で屋根の雪下ろしを受け持つという。
最近では屋根に電熱を備えた家も多くみられるそうなのだが、その設置費用で200万かかり、毎年除雪分だけの電気代が10万かかるという。なんとも驚嘆してしまう費用の支出だが、班のメンバーの方は、真剣に検討しているらしい。
我々が理解しきれない世界がそこには普通にあるのだ。

住めば都。私にとって大阪がいちばん住みやすいと思っている。
新潟に至ってはちょうど半年前に水害があり、その前は二度の大地震災害。今問題の原発(柏崎)もある。そして毎年の雪害。これほどのリスクがあるように感じられても、住民にとっては、大阪よりは・・・、東京よりは・・・、といえる何かがあるのだろう。
私にはその・・・を埋めることはできない。
ひょっとして大切なものなのかもしれない。


(HICO)