越前市水害ボランティア 参加

先週来から気がかりであった熊本の災害地でお手伝いする予定を立てていたのですが、九州地方の天気は雨模様。
いろいろ模索する中、福井県越前市で大雨による災害があったことを知らされた。7月の20日から21日にかけてかなり強く降り続いた雨は、200軒を超える床上床下浸水になるほどの大きな被害をもたらしたのである。
ボランティアセンターは21日迅速に開設され、早速ボランティア募集がかけられた。翌日曜日3時ごろに発ち、越前へと車で約3時間。
被害の大きかったエリアは、伝統和紙(越前和紙)の製造で名高い場所で、今回の水害による損失はかなりなもの。多くの工場や倉庫に沢山の和紙が積まれていた状態であった。

午前9時にセンターで受付け、約270名が集まった。その後、約10名の班で向かった先は、Y製紙工場。既に多くの職員やボランティアにより作業が進められている。作業は、倉庫からパレットに積まれた数百枚単位の和紙を取り出していき、泥まみれの倉庫の床を丁寧に洗浄。床が乾く間に、高く積まれた和紙を別のパレットに移し替え、底に近い浸水した部分を取り除いていく。一見すると美しい状態に見えるが、とても商品としては成り立たないという。小判サイズで一枚2000円するものもあるそうで、自然災害とはいえ、悲しい現実である。
そんな心境をよそに、なにを思ってか、社長さんに何枚か分けていただけたら・・・と交渉してしまった。とても美しく、手触りが何とも言えないのである。
この状況下で、呆れた申し出に快く数十枚ほどの束を、直ぐに包んでくださった。人の気持ちを思い出に、お店のイベント等で大切に使わせていただくことにしよう。

不気味に積乱雲が広がる夏の日の下、紙で小傷を負いながら大量の和紙ののせかえ、パレットを不慣れなハンドリフトの操作で移動を繰り返す。久々に熱中症を危惧しつつ、我乍ら歳を気にするほどの作業となった。
多くのボランティアは地元の方で、笑顔の中にも力強く作業される姿に感銘を受ける。地域によって差はあるもののどの災害地においても、これまでにも幾度となく闘ってきた町の団結力がそこにあり、助け合いの結束が今後の復旧復興の力となることを垣間見れる。古くからある日本の底力が、いま見直される時なのかもしれない。(HICO)