山口県豪雨災害支援(萩市須佐)

萩市ボランティアセンター受付  この夏も全国的に異常気象が続き、前回出向いた西伊豆のほか、山形を含む東北、新潟を含む北陸、そして今回お邪魔させていただいた山口を含む中国地方と、多エリアにて短期集中豪雨による被害が相次いだ。
一時間に140mmと、想像を絶する雨量を記録した山口県の被害は大きく、数日たった現在の状況でもライフラインが絶たれた地域は多く、JR線路は流され、いたるところで土砂崩れによる道路寸断も目立つ。川の増水と家屋の倒壊により二名の方が亡くなられたという被害状況を毎日のようにメディアを通してみているうちに、やはり出向くことに決意。 山口県でも日本海に面するこのエリアへの交通は意外と時間を要する。
交通手段を模索した結果、車で片道460㎞程走行することで現地に向かうことにした。作業を含めて往復900㎞を超える走行に不安を感じ、知人を誘うと、しばらく悩みながらも快諾。

8月3日土曜日の夕方、大阪を発ち、約8時間後、萩市須佐に到着。朝まで最寄りの道の駅で仮眠し、集合場所である元学校のグランドにたどり着いた。
萩市ボランティアセンター 続々とボランティアに詰めかける人たちが集まりだし、8時半、受付開始。午前の降水確率90%の怪しげな天気の中、たくさんの方たちが詰めかけ、長い列に多少の時間をかけながらも、不慣れなセンター職員がさ受付作業をこなしてゆく。
萩市ボランティアセンター待機受付後、体育館で待機し、順にコーディネートが始まる。我々含む6名がグループとなり、一軒の民家の家財だしと泥かきなどの作業が命じられた。

向かった先は、萩市役所須佐事務所にある資材置き場から徒歩で数分の川沿いで、民家の密集地域。すでに数組が現地にて作業をされているのを通り過ぎ、現場に9時半頃に到着。
簡単なあいさつの後、早速家財を運び出す作業に取り掛かった。
グループの方たちはボランティア作業にかなり精通されてる様子で、多くを語ることなく、家の方に確認を取りながら、阿吽の呼吸で道路にあふれんばかりの家財が出された。ことのほか作業がはかどり、次いで水を吸った畳を30枚ほど運び出す。
大きく予想を反し、天気はかんかん照り。蒸し暑さも加わり、疲労感はかなりのものであった。
萩市ボランティア近隣河川 午前の作業を終えて一休み。近くの氾濫したという河川を見に行くと、嘘のように少ない水量の川がそこにあり、海岸近くにあるこのエリアの増水に至った雨量の凄まじさを逆に感じた。これまでにそれほど被害がなかったというこの地区は、おおよそ一時間50mmで自然に氾濫することが予想されたこの河川で、まさか140mmもの豪雨が襲うことは、誰もが想像できない事態であっただろう。
午後からも、気温が高まる中作業開始。床板を外して泥かき作業に入った。
堆積するヘドロはそれほどなく、まだやわらかい状態で比較的容易に書き出すことができる。が、やはり長時間のへんな姿勢での作業と幾部屋もある泥かきは、手の動きを自然に鈍らせた。家の方が何度も気遣ったいただき、差し入れにジュースや氷をふるまっていただいたおかげで、立場を胸に秘め、帰りの車移動のリミッターを解除させることで、作業に没頭する。
萩市ボランティア家財運びだし ある程度母屋を終わらせると、続いて離れに取り掛かる。気温が高まるにとともに、ヘドロどくどくに匂いが我々を襲う。軽く記憶が飛ばされそうになりながらも、皆の勢いに押され、気付くと道路にとどまらず庭にもかなりの家財が山のような状態。不安定な気候を考えると、このままにしておけずに皆で相談している中、豪快に作業者がやってきては、どんどん家財を吸い込んでいく。再度家の方に廃棄してよいかどうか確認を取りながら、あれよあれよと泥だらけの家財がなくなっていった。これほど豪快な作業者は見たことがない。鉄製の柱、メートル超えの箪笥、欠けた50cm程の鉱石、布団や冷蔵庫、なんでも吸い込んだ。
血迷ったかのようなその勢いは、市の勅令によるものなのか、早期復旧に一線を越えている感もあった。残されたのは濡れた畳と土嚢袋。これも何れ、気持ちよく回収されるだろう。
昼二時ころ突然の雷雨となったが、ものの10分ほどで止み、最後の処理に取り掛かる。一通りの作業を終了し、三時にセンターで資材を返却して、作業終了報告後、解散。

最寄道の駅にて大にんにく 皆に見送られながら、帰路についた。途中立ち寄った道の駅で、何かお土産をと店の方に相談し、大にんにくをゲット。最近話題になりつつあるその代物は、身が通常の直径にして倍以上で、においがそれほどないがとても味わい深いとのこと。他では500円だが、この地域で最近力を入れだして取り掛かっているところらしく、200円で分けていただく。楽しみである。
途中かなりひどい雷雨と霧に悩まされながら、何とか帰りは6時間ほどで大阪に帰ってこられた。かなりの疲労感が残る今回のボランティアであったがそれとともに何とも言い難い心地よさも同時に感じることができた。
今後も想定以上の期間、ボランティア募集期間が続くとかなが得られる。今回初めての週末ということもあり、約500名ほどが参加したそうだが、今後もいち早い復旧が望まれる。

余談であるが、当日、安倍首相が視察に来ていたそうだ。首相選出が多いこの県、土木等を中心とした復旧にはそう時間はかからないものと考えられるが、直接一般にやさしい復旧検知があるか否かは別問題だ。(HICO)

萩市災害ボランティアセンター
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