第四回 点訳技術講習会

平成14年10月24日(木)
2002年度点訳技術講習会 第四回 レポート

 本日から「分かち書き」に入っていく予定であったが、
前回で途中になった数字とアルファベットの記述についての講習がほとんどになってしまった。実際にこれが基本となる部分の締めくくりであるだけに、余計に時間を要してこられたのだと思われる。
前回のレポートに重複することが多いので、略するとして、気になったところの部分を補足する。

 アルファベットの記述にて、外字符と外国語引用符の使い分けである。
記述から説明すると、外字符は、⑤、⑥の点を外字の前に表記する。外国語引用符は、②,③,⑥の点と、③,⑤,⑥、の点で、その外字を括るのである。上記で外字とひとくくりにしたが、ここがポイントとなる。
外字符を用いる場合は、単なるアルファベットの文字、略称、単位など、ごく頻繁に用いられるものが多く、それ自体だけで、本来の外国語と理解されにくいものである。例えば、A型、オバQ、3LDK、10cm、TV番組、IOCなど。
  一方、対比した説明となるが、、外国語引用符を用いる場合は、アルファベットで書かれた単語、熟語などの語句や文をさし、そのものが外国語としての意味を保有するものを対象とする。例えば、apple、 good night、 My name is HICO。
日本語の中には、英語が混ざることが多く、注意が必要な点である。

 数についても、補足があった。表記の仕方などは前回のとおりである。注意する点として、仮名で書く数字の場合である。「三」とある場合に、数字の「3」ととるか、「サン」と仮名書きするかというところである。
1.数的な意味の薄れているもの  例) 十字路、七面鳥、一足飛び
一般に、他の数で置き換えることができない場合である。
2.和語読みするもの  例) 四日、七草、八百屋、六つ星、二十歳、一人
ヒ、フ、ミ、ヨと読み換わる場合は仮名書きとされることが多い。
例) 10月10日 数10ガツトオカ
    三泊四日 数3パクヨッカ
3.固有名詞  例) 一郎、三宮、四国、五千円札
  例外として、数的な意味を表すものは数字で書く。 例) ルイ十四世、五条通り、市立第三中
この例外は非常に微妙なところである。確かに置き換えることのできる見方からすれば、数字表記となろう。
これまた微妙なのが、「110番」である。「ヒャクトオバン」としてもよいところではあるが、その目的からすると、電話で数字を選択するケースを連想すれば、数字として表記することが望ましくなる。

 点字の表記に関しては、日本語の理解度がかなり必要とされる。その使い分けがしっかりできていれば、ルールどおりに表記すればよい。まだまだ疑問は沢山ある。数をこなすことで慣れていくしかないようだ。そうすれば、必ず明確になってくるはずだろう。点字を書くこともそうである。次から次へと新しいことを学んでいったが、確実にマスターし、正確に表すことができて、初めて価値がある。どんどんこなして行かなくてはならない。

 本日、前回の宿題を返してもらったが、散々だった。一言、「残念です」であった。
とても悔しい。やってはいけない脱字をしてしまったようだ。抜けていたのである。そのとき、講師の方に、見直しは必ずしてください!といわれた。そのとおりである。点字の場合、墨字から点字にするのだが、それを確認するすることは、その点字を再度、墨字として理解できるか、正確であるか、読めばよいのである。読むことにより、さらに力をつけることができるではないか。単純に”前向きに進んで、生きてきた”としていた自分に、その行動を見直す必要性であったり、失敗しない、成功のあり方を指摘された気がした。
信用とは、そのようなところであろう。派手で生きるもよいが、ひた向きな姿勢で、確実に生きる要素は、万人に対する信用を得る。そうそう、たやすいものではない。“人のためにできること”と考えた以上、信用が何よりである。力をつけるべきところではないか。

 とうとう、「分かち書き」へ入った。「分かち書き」のモットーは、読みやすさ、書きやすさ、分かりやすさ、である。そこには、おのずとルールが必要となってくる。本日習ったのは、その中で基本となる原則であり、それが全てではない。点字の講習では、例外が多い。いかんせん、この頭にそれだけの汎用性が備わっているとは思われないが、これも慣れであろう。
  さて、基本となる原則は、
第一、文節で区切る。
第二、継続的な触読を可能にするため、さらに音節で区切る。
文節とは、なんとも懐かしいところ、忘れてしまってたが、「…ネ」を入れて区切ることができる単位だ。
例) 私は(ネ)今日(ネ)講習会に(ネ)いった。
今後いろいろと、例外について覚えていかねばならないようだ。

 本日のところは、このあたりである。
宿題に関して、点訳においての注意、及び指示があった。
1.一行目に氏名を左サイド(読みでは右サイド)につめて書く。
  複数枚の場合は、氏名は一枚目だけでよい。
2.紙の上部に、ページを打つこと。
3.必ず、文頭を二つ空けること。
4.最初の書き出しの場合は、頭四つをあけること。
5.文節単位が入りきらない場合は、必ず次の行から書く。
6.読点の後は一升、句点の後は二升、段落の場合は二升を空けて書く。
宿題の採点によって指摘を受けたが、「弱点」(打つ点が弱い)箇所が見られるので注意する。そして、必ず見直す。打って見直す習慣をつけておく。間違っていた場合に最悪はまぬがれる。

(宿題)
*第二回仮名遣いで用いた練習問題を、分かち書きを意識して、点訳する。
*点字を墨字訳(墨字文章とする)

(つづく)