配食ベース作り始動

災害支援時を見越しての炊出しベース作りを行いました。
初めての多賀での調理活動始でしたので、設備機器の具合、調理器具の使い勝手、調理工程の確認を調査も今回の目的。

とうげさんにて10kg牛骨をわけていただきました。店長曰く、鮮度が良く水付け血抜きなしでも可能とのことでしたが、水道水にてしばらくつけて様子を確認。1時間ほどして水に濁りも出てこなかったので強火で火入れ。加熱してしばらくすると水が赤くなり、沸騰状態を約5分で灰汁が出だす。丁寧に灰汁をすくい、火を消して骨を取り出して茹でた水を捨てる。圧力鍋を水洗いし、骨を戻して、大師の水を20リットル、しょうが2本分スライスを加えて圧力作業に入る。
※「大師の水」…多賀ラボより5キロほどの場所にある、骨の煮出しに有効な硬水。今回は20リットル容器2本をいただきに出向いた。
出汁が良く出る部位をと、とうげ店長に御相談していたので、大きな関節部分が多く、膝骨などのその大きさと重さに今後の取り扱いで工夫が必要。基本の圧力時間で一回確認したところ、髄の固着がまだまだで、牛骨ゼラチンも出し切れていないと判断して、工程を再度試す。強火で加圧10分した後、弱火にして約30分、消火後の放置して自然減圧。
※次回のために…骨の大きさと状況にもよるが、今回のような鮮度良い大きな関節部の場合は、灰汁取り後に強火加圧20分、弱火30分で消火、減圧放置1時間をめどに試す。

骨を取り出して、ほじくりだした大切なコラーゲンや髄を鍋に戻す。
大骨はまだ出汁が出るかもしれないと冷凍に保存した。小さめの骨は保護犬用に分ける。鍋に残った今回の目的である「命の牛骨出汁」は程よくとろみも見られ、コクがかなり確認できた。味も申し分ない。提供するメニューにもよるが、最終的にどれくらいの水割合とするかは検討必要。
命の出汁を大きなレードルの背でザルにこしながら、深い2/3ホテルパンを型に厚め30リットルビニール袋へ入れる。約8リットルが2つの出汁と、こし残った筋や残コラーゲン、しょうが等は別袋にして、すべてを冷凍保存にして、今回の工程終了。
作業中の時間を利用して、玉ねぎを10キロ約40個弱をみじん切りにして、二袋に分けて同じく冷凍にした。

基本的には想定内の作業ができたとまずは安堵。阪神淡路の震災から検討を続けて、今回初めて淡路島具材の基本となるベース作りは貴重な第一歩。いかに工夫しながら現地で役立つことの工程を詰めていくかが見えたようにも思えます。

→ 活動記録20230225