第六回 点訳技術講習会

平成15年2月13日(木)
点訳技術講習会(後期) 第六回 レポート

 講習においての最終課題である、5つの文章を先週渡されていた。前回、講習終了後、パソコン入力になれるため、そのうちのひとつの文を試みた。躓くのはやはり、分かち書きである。入力のほうは、パターン化されると、これはもう慣れとしての習得である。その文を打ち込み終わるころには、ある程度できているなあ、って自負できるものになっていた。さすがに、先に述べた、分かち書き、記号等の打ち込みは多少戸惑いがあるが、まずは、抵抗がなくなったことには、素直に喜べるところであろう。
  本日の講習では、前半にパソコン入力のコツとしてのコピー&ペーストってな具合であった。なかなかいい感じに理解できている。嬉しかったのは、皆の打ち込む速度に比べて、気持ち早く入力ができていたこと。確かに、正確さはどうだかわかんないけど、F4キーによる、墨字表示で照らし合わせると、間違いは、やはりいくつかあった。総評、実感として、習得できてきていることに喜びである。
  講習の終わりに、自分に与えられた文を公表していただいた。「演奏としての朗読」というタイトルである。先の5つの文の中のひとつで、特別ややこしいものではなさそうだ。本日、早速戻ってから、ノートパソコンを立ち上げ、一気に打ち込んでみた。自分自身での満足感では、なかなかできたと思う。しかし、読み手の気持ちに立ってはどうなのだろうか。分かち書きなども、確かに確実とはいえない気がする。人に優しいものを作り出すというのは、どの道でも、そんなにたやすいものではない。自分自身のことで、満足できるものでは、いくらやっても同じことなのであろう。打ち込みが終わったあと、ふとそんなことがよぎった。このような作業が、人に読んでいただいて初めて意味を成す。初めて、そのとき結ばれるのであろう。そう思い、文を読み返すとともに、触読をされた方が、確かに私の打ち込んだ点字を読み、理解し、さらに感動していただけるなら、大変喜ばしいことだ。講習を受け始めたころのことを思い出し、点字という技術の習得にとどまらず、その先にあるものにたどり着けることが、目標になる、そんな気が生まれた。

 本日の講習の後半、読み方調べについて教わった。講師は、木村さん。なんとも、見るからにしっかりした信念のある方だ。ライトハウスには、独自に読み方をパソコンにて管理しているものがある。著作権上、公表できないそうなのだが、良い財産である。パソコンに、漢字を打ち込んでみると、広域に打ち込まれたデータベースから、その読みにかかわる内容を引っ張り出してくる。現在、111万語登録されているそうだ。たとえば、「本町」と打ち込むと、まず読み方から、3通り。ほんまち、もとまち、ほんちょう。それぞれの読み仮名に該当する内容を表示する。この場合、大半は地名である。全国の本町が出てくる。ほんまちと読むところは、一番多い。てな具合で、普段われわれが使っているような検索機能よりさらに深い、読み方検索機能まで備わったものである。大したものだ。新しいものもどんどん打ち込まれていかねばならないし、刻々変わり行く内容を更新しなければならないのは、非常に労を要する。このようなもの事態が、国の支援、もしくは、管理されたものとして利用できるシステムがなされるべきであろう。
  点字の場合は、仮名打ちになるので、間違いはそのまま伝わる。人名・地名が間違えれば、その先大問題になる可能性もある。漢字であれば、伝わりやすいものであっても、決してごまかすことのできないところであろう。
  点字の奥の深さを実感した瞬間である。

(つづく)