台風18号大雨災害支援(茨城県常総市)参加

常総ボラ01台風18号の被害が大きかった千葉県常総市に復旧支援に出向いた。発災後すぐボラセン立ち上げに向かった知人の情報によると、川の氾濫で街に流れ出た水は3日経った頃より引き始め、作業に大きく踏み出したそうで、このシルバーウィーク期間に大きく前進が見込まれるとのこと。一日1500名を超えるボランティアが予定される。私一人では大きな力とはなりえないが、これまでの経験を活かして歯車になることも意識を持って取り組むことで参加。
仕事の兼ね合いで毎度のごとく一日のみの手伝いとなるがフルに作業できるように前日関東入り。当日の集合時間が早いのである。
常総ボラ02守谷という場所で常総市の南に位置する駅前が集合地点で、朝7時。(※多くのボランティアが現地を目指すことで引き起こす渋滞を懸念してのこと。復旧の妨げになるだけではなく、被災者の移動にも支障をきたすため、支援活動するボランティアには、注意される視点でもある。)
続々と守谷駅前の集合場所に設置された受付に列ができる。
かろうじて最初のバスに乗り込むことができた。受付順にもよるが行き先は遠方からのようだ。被害エリアは極めて広範囲で各方面にサテライトが設けられ、私たち第一陣はその北部に位置する石下という場所を目指す。マイクロバスに乗り換えて、更に鬼怒川寄りの玉地区へ。広めの民家に設営されたミニサテライトが本日の活動拠点としてバスを降りる。
常総ボラ04まず5人ごとの班に分かれてミーティング。千葉からの二名と常総にゆかりのある二名、そして私の5名の構成で、リーダー役を務めることとなった。コーディネートの結果、一軒の民家の泥出し依頼が言い渡される。このあたり一帯が150㎝程の水が全域に埋め尽くした痕跡があり、民家の屋根やトラック、自家用車が田畑に流された状態が多数みられた。
早速ねこ車にスコップと土嚢袋を積み込んで徒歩で移動すること約10分。更に川のすぐ近くまでやってくると、やがて通行止めのサインがあり、依頼者宅はそのあたりの地主さんであった。

挨拶すると奥から御夫婦と息子さんが出てきてくださった。早速作業内容を確認。母家の一階部分で四部屋の床下泥出しが早急にお願いしたいとのこと。既に御主人が大工さんと交渉して大きく床板がはがされて、風が抜けて程よく水気が引いた作業にかかりやすい状態であった。毎度感じることに床下の泥処理は早いに越したことはないのである。

常総ボラ05-1 約5~10㎝、場所によってはそれ以上堆積された粘土質の泥をスコップですくい、土嚢袋に詰めていく。極めて単純な作業だが、この日200以上の土嚢袋を積み上げた。日中は夏を思わせるほどの暑さの中、作業は腰にくる。メンバーは21歳の学生が一人いて、その他四名はなかなか無理の効かない年頃に見受けられた。通常一時間に10分休憩だが、無理せずこまめにとることにした。
常総ボラ07二つ目の部屋を終えたころにお昼の時間となり、御主人にお話をいろいろと聞かせていただいた。
当時の様子は以下の通りで、周辺民家の中では比較的被害は少ないほうだとのこと。
夜中の2時頃に突然の避難指示を受ける。御主人宅では、先人の教えから川の氾濫を効かされていたこともあって早急に避難行動に。車は二台あって、一台はたまたま代車であったため、軽トラで非難した。代車はみごとに水没。飼い犬の秋田犬は連れて行くことが困難であったようで、そのまま。ただ、リードを外して柵を設けて後にしたそうだ。川の氾濫に流されて、約5キロ先で犬かきするワンちゃんが…との情報から3日ぶりに再会できたそうだ。

昼からも床下の泥出し作業を続け、あと一つのお部屋を残すこととなったが、時間が来てしまう。御主人の確認していただき、とても満足いただけた。作業半ばではあるが、明日以降の申送り事項として、センターに帰還後解散となった。

常総ボラ06鬼怒川の決壊で大きな災害となったニュースは報道で大きく取り上げられた。さらにもう少し上流、土手を乗り越えて川の氾濫があったのが、今回お手伝いさせていただいたお宅のすぐ裏。
この土手部分は実はある方の私有地で、いろいろと問題がある。商業用のソーラーパネルを設置した際にあまりに簡易的に低い砂を積み上げた土手の堤防を作ってしまったようで、建設当初から地元では改善の要望がなされてきたにもかかわらず、市の認証のもとで工事は進められ、2~3年前に住民不安視する中で設置に至ったそうだ。
今回、その土手が崩れて氾濫をまねいたこの災害に、地元住民は人災である意思を早くも表明している。
常総ボラ09 常総ボラ03 連日、メディアが取材にくるものの、原発事故問題のごとく、それほど大きな問題としてとりあがらない。責任所在について追及しなくなる理不尽な慣習が一部裏政治にはあるようだ。あまりに深く根差したこの悪しき状況が少し鵜座とく感じられた。

常総市は広範囲で1mほど浸かった状態だったそうで、あまりにも広い範囲の被害状況に、しばらくは多くの支援が必要とされる。幸い都心部から近いこともあって多くの人員が見込まれる。(HICO)