広島土砂災害ボランティア

広島の土砂災害。土曜日で発災72時間を経過。
ニュースやネットで知る限り、一般の人がエリアに入ることはまだ早いのではないかと考え、当初は福知山もしくは丹波へのボランティアに向かう予定で、災害派遣車両登録を受領するまでの準備を施していた。金曜日になり、広島へ事前入りしている知人がボランティア立ち上げを支援していることを知り、経過を逐一確認。
広島土砂災害ボランティア_02この度の土砂災害で、大きく報道される人命にかかわる場所は数か所あり、全国から消防、警察、自衛隊が力を注いでいることは周知の事実であるが、一方、その他の場所でも広域にわたって、泥状の真砂土が打ち上げられた住宅被害もかなりの数だという。。当初いだいた捜索活動の邪魔となっては…とのためらいも、この多くの住民の求める声を知り、早速交通手段を手配し、安佐北区のボラセンに向かうことにした。

広島土砂災害ボランティア_01広島駅からの在来であるJR可部線は不通となっている為にバスを模索するが、多少戸惑ったために30分のロス、現地に9時半頃ついた。センターは街道沿いの街中にあり、既に溢れんばかりの人の影。なぜなら、この日の怪しげな天候に、もう一つのボランティアセンターである安佐南区が活動休止を早々発表したために、その多くボランティアが安佐北区に合流したと考えられる。(結局、この日参加者は868名だったそうだ。)
受付開始の時間を大幅に遅れて到着したので、急いで中に入ると、一足違いでなんと終了したことを知らされた。しかしながら、センターの仕様はほどほど知っている。なんとかニーズの隙間を見つけ、手短に受付を済ませると、班分けのグループに加入させていただいた。
広島土砂災害ボランティア_03地元の方を中心とした6名の班で、センターから歩いて東の方へ早速向かう。定まったお宅や指示は今回特になく、現地入りして御用聞きに基いて、その作業をこなしていくことになった。やや小さめの山の側で、水路のような川が流れるあたりで聞き込み開始。いきなり伺うってのはどいうもうまくいかず、既に作業をされているボランティアさんたちに交じってお手伝いしながら、近隣の要望に応えていくことにした。いつものことながら、最初に小さく手を合わせて作業に取り掛かる。
広島土砂災害ボランティア_04この広島土砂災害ボランティア_05あたり一帯の住宅は何処もがほぼ同じ状態で、庭に上がった土砂を取り除くというもの。スコップでかいては、土嚢袋に詰め、定められた場所までネコで運ぶ。実に真砂土というのは厄介な土で、水気をとにかくよく吸う。おのずと詰められた土嚢袋の重さは見た目以上にずっしりとくるのだ。
広島土砂災害ボランティア_07この安佐北区地区でも昼から雨の予報が出ているために、作業は午前のみとセンターで決められていた。限られた時間なので、効率を一番に、そして人海戦術。夏休み参加の学生さんパワーで、快調に作業は進む。予定の時間近くとなり、やり残しの作業を申し送りとして、この日の作業を終えることにした。
この日、御用聞きとして出向いただけでもニーズは多く出てきていたので、これから先もかなりの人手が必要となりそうだ。

広島土砂災害ボランティア_08広島駅に向かう帰りのバスは安佐南区を通る。人的被害が多かった地区には、沢山の他県ナンバーの作業車両、消防車、警察車両に重機がみられた。このあたり一帯、山に向かって立ち並ぶ家屋はどこも密集しており、容易に作業が進まぬことが窺い知れる。
行方不明の方が早急に見つかりますようにと願うばかりだ。

広島(特に市内)は、ここ最近大きな災害はなかったそうで、今回の惨事は多くの住民に恐怖を与えたであろう。平野部が比較的少ない都市に、山を切り開いて宅地化していった経緯もあり、元の住民はその影響を一番気にしておられた。
これからのことを考えるに、砂防ダムの建設を大々的に進められるであろうが、根本的な問題解消となるかは難しいところかもしれない。今後の意識が問われるところなのだろう。
(HICO)

広島市社会福祉協議会