九州北部大雨災害支援[佐賀県]

このところ毎年いくつもの大きな自然災害が発生し、甚大な被害を被ることが常と感じるようになりました。
8月27日から九州北部を襲った大雨による被害も大きく、佐賀県を中心に沢山の支援が必要な状態に。
これまでの活動で知り合った複数の団体が既に現地で活動されていることをFACEBOOK等で確認を取りながら、私達にできることを模索して現地へ出向くこととなりました。

活動支援金と善意ある寄付金をお預かりし、二団体を回ることに。

もとは熊本地震で活動されて、昨年の大阪北部地震より長きにわたり屋根瓦の修復補修のボランティア活動を継続されている『レスキューアシスト』さんに連絡を取り、お手伝いできることをうかがい、茨木市にあるベースへ向かいました。
佐賀ではオープンジャパンが率いる大町町での復旧活動に加わっておられるとのこと。
週末にも大阪に戻られる代表の中島さんと再会し、支援金を手渡します。その後、茨木でエアコンを積み込み、佐賀ベースまで運ぶお手伝いに快諾。早々に陽のある時間帯に出発しました。
約8時間ほどかけて佐賀県入りし、仮眠をとって佐賀のベースへエアコンをとどけました。佐賀ベースで新たな仲間と合流し、8時過ぎに大町町のサテライトへ。

大町町はニュースでもあった油の流れ出た場所。加害者が地元を代表する大きな工場だけに今後も住民への補償問題などデリケートといえる。サテライトにおいてオープンジャパンを中心に複数の団体がミーティングを行う。9月に入ったとはいえ、30度半ば近くまで気温は上がる異常な気温のなか、割り振られた民家へ、社協からの助っ人5名を加えた7名で向かう。
町中を覆った豪雨に加えて油の散乱。これまでの自衛隊や支援団体の活動でかなりの除去はみられるが、油の痕跡と臭いは容易に拭えるものではない。

支援依頼の殆どが農家さんや住民さんの家屋からの家具出しがおもな状態で、床をいらうまでには至っていない初段階。母屋の一部と倉庫から家具や資材を運び出して掃除していく。頻繁に油があちこちから出てきては吸着シートで拭っての繰り返しとなるが昼を少し越えたところまでで一区切りするまでに至った。その農家さんの田んぼは油の痕跡も残り、落胆は想像できるものではない。容易に触れる内容ではないが、お話させていただいたなかで垣間見えるこの先の不安はどうすることもできないのが現状である。

昼過ぎからもう一軒ハード目な民家のお手伝いをこなして終了。
この日はレスキューアシストさんのベースで泊まらせていただく。

翌日、大町町の先にある武雄市へ。『ロハス南阿蘇たすけあい』のおやっさんが率いるベース。
主としてブロボノで、熊本地震、大阪北部地震、豪雨被害の広島小屋浦での活動など多くの場所で活動されている。南阿蘇鉄道の線路草刈りがロハスさんとの最初で、常に住民目線での復旧活動と、その意志に引き寄せられる職人さんが全国から駆けつける。

お会いするのは小屋浦以来だが、すぐに声かけいただき、さっそく支援活動金を手渡した。先述通りプロボノ集団であるため、主だった活動は重機を用いた活動が多いが、優しい人柄で細かい依頼も多く、一般的にできる作業も多い。

この日も住民の生活復旧のための支援物資無料配布場所の設営のお手伝い。全国から寄せられる冷蔵庫や洗濯機、衣類やタオルなどを場所を定めて配給できるようにするとのこと。場所は幹線道路に近い倉庫を提供していただき、まずはその掃除から。ひん曲がったシャッターをうまくスライドさせてなんとか中に入り、10名ほどで磨いていく。次に冷蔵庫や洗濯機を除菌スプレーや高圧洗浄機で気持ちよく利用できるように仕上げていく。このロハスさんを支持支援にかけつける方々は常に経験者が多く、阿吽の呼吸で昼前には完了に至った。

お昼に有り難いことに美味しいまかないをいただき、暑さのますなか昼からの支援場所へ向かう。午前活動の倉庫提供者さん親族のお宅で、家財の運び出し。使えそうな立派な家財を倉庫へと、廃棄処分場への振り分けで運ぶ。運搬できる車両が滞る間、交通整理に加わることとなった。常におやっさんが口にする無事故でという言葉が思い返され、頻繁に往来する車両の誘導はかなり神経を使うものだと初めて知ることに。

このところの異常なほどの高気温で3時までに作業は切り上げられることに。ロハスさんとの再会を約束に、武雄を後にした。温泉無料券も頂いたが佐賀市内に戻る必要があり、再度レスキューアシストさんのベースへ戻ってシャワーをお借りして今回の佐賀活動を終えることに。

まだまだ佐賀の復旧復興支援は始まったばかりといえる。全国に目を転じるとこの大雨災害後でも岡山の新見市や関東で台風被害が発生。各種災害支援団体が存在することでどれほど多くの方が助けられ、希望を見いだせるに至るものかと今回も大きく感じた次第である。またできることには参加させていただこうと考える。[HICO]