東日本大震災ボランティア 24th(南相馬市小高区)

発災から4年以上が経ち、多くの東北エリアでは順調といわないまでも、復興の兆し形付られている。地震・津波によって、痛々しい姿は正しく整えられ、次の時代を模索しながらも住民と自治体が多くの時間と労力を費やしている。比較すると若干様相が違うのが、今回お手伝いさせていただいた福島県の一部の地域で、原発事故が大きく足かせとなっている現状は、想像を超えるほど深刻な状態に追い込まれている。
政府の施策は、被害者住民の方々に対して十分に納得できものではないまま、これまで経過してきたが、最終的にその施策も近く打ち切っていくという報道がごく最近出された。まず目に留まる点として、自主避難した者に対する住宅補助を16年度で終了すること。政府が取り決めた年間20ミリシーベルトの勝手な解釈基準のもと、基準以下の地域では安全との押しつけに対して、子供を持つ家族など約11万人が県内外に自主避難している。
東日本大震災ボランティア 24th01そして避難解除を17年までに解消していくということ。確かに聞こえはいいが、多くの場合は賠償金を早期打ち切ることが狙いである。国連からも指摘される一連のこの計画に、見直しを求める声も上がるといった現状。
何れにしても、失われた住民の生活を少しでも取り戻せる支援は継続されるべきところである。

さて約半年ぶりの小高でのお手伝い。
諸事情でこの4月から場所を少し移動したボラセンへ8時頃ついた。集合時間となったがその数は約20名を満たない。別に大きな団体が支援で入っているとのことだが、個人参加は11名のみとの記録。作業は多いものの人手が足りない現状は変わらぬようだ。
東日本大震災ボランティア 24th02ミーティングの後、3名で民家の樹木伐採する班にまわった。場所は小高駅から線路沿い少し南下したところで街中の電気屋さん。広い裏庭にある立派な木々のほとんどを切り取ってほしいという依頼であった。早速チェーンソーなど資材を積み込み現地へ。御主人との打ち合わせの後、いつものように黙とうして作業に取り掛かった。
快調に伐採しては定めた場所に運ぶ繰り返し。
放置された状態でも樹木は元気で直径20㎝前後となれば、30㏄のチェーンソーでは一筋縄ではいかない。連日、多くの方々がきっちりとメンテナンスをされている機器であっても、これこそ、歯(刃)が立たない。
東日本大震災ボランティア 24th04午前午後とも確実に作業をこなす。
休憩時間にはご主人からのありがたい差し入れをいただき、当時のこと、避難解除のことなどいろいろとお話を聞かせていただいた。納得いかないまま経過したこの4年。感慨深い今後への一歩として、精一杯ご要望にお応えするお手伝いをするしかない。
終了時間となり、若干のやり残しは出たものの、御主人に確認していただき、納得くださったことに安堵。

前述通り、一定の国の方向性が示されたこともあり、今後の街の、住民の気持ちも歩みだされる方々も増えるのではなかろうか。補助するボランティアの人手は足りていない現状が気がかりではあるが確実に歩みを見せるこの小高、時間が許せばまた参加させていただこう。
東日本大震災ボランティア 24th05街中には、業者による除染作業の終了を示す黒いトン袋の積み上げがいたるところで目立ち、歩みと足止めの葉境の時期かもしれない。

追記、
作業中、数匹の犬の鳴き声がした。聞くところ、6匹を飼っているらしく、みな元気だそうだ。SORAなどの施設の紹介も考えたが、私の考え方とは少し違った。愛玩として人寄りに接することなく、明らかな一線を保っている。この犬たちに、ほんとの幸せについて聞きたくなった。御主人や他の支援者によって支えがありながら、6匹はたくましく生きている。群れの動物として凛々しくも見て取れた。