北海道胆振東部地震災害支援

北海道胆振東部を襲った地震災害。(9月6日3時7分)
立ち上がったボラセンは安平町、厚真町、むかわ町の3つ。3泊4日と限られた期間の計画を立て、飛行機とレンタカーを使い現地に入ることにした。当初は見て回ることも考えたが、一つの場所で要領を早めに理解して少しでも貢献できるように安平町一つに絞る。
夕方の飛行機で新千歳に入り、約30年ぶりの友人にあって差し入れをいただく。

  その日は現地までのアクセスがよいウトナイ湖の道の駅にて車中泊。夜中の時点で気温は8度と予想通り冷え込んだ。早朝、湖の白鳥が巨大地震が嘘のように毛づくろいをしながら穏やかな時間を迎える。

  安平のボラセンは、登録制となっており、申し込むとその後からメールで現状とかかる作業ごとに希望を申請することができる。同時に宿も抑えることができるために遠方から出向く人間にとってはありがたい。すでに手続きのため、所定時間に受付場所にてタブレットへ自分の名前をチェックして待機。やがてミーティングが始まり、昨日までリーダーだった11名が前に出て、班分けがその列としてついていく。この日で我が班のリーダーが去ることのことで数日活動可能な者が引き継ぐ合理的なシステム。この日から、リーダーとして2日間は約10件程の被災したお宅でお手伝いでき、全ての依頼に納得いただけて完了する事ができた。
ご依頼者である住民の様子は、おおよそ高齢のおばあさんが多く、余震が減るつつあるも不安で不眠の日々がこたえてきてるようだった。余裕があればこうした心情のケアもボラセンで拾えるようにして別組織に触れる体制が必要なのかもしれない。(ここの時点で電気復旧はほぼ完了とのこと。水道復旧はまだ一部の地域が断水一割ほど。)

初めてのレシーバーを用いての活動はとても画期的で、各班の進捗は他の班皆が共有し、困り事や頼み事などにすぐに対応できるメリットは非常に大きい。無線がいろいろ飛び交う中での作業はコツがいる。便利であるがそれでもその利用方法はデリケートで、預かる被災者さんたちの個人情報の伝達対策など、作業後のミーティングで改善され、より有意義なものへと活用が膨らんでいく。ここでの携わる人たちが皆で意見を出し合って日々改善努力していく。彼らの思いと姿勢、その現場に立ち会えて刺激と感銘を受けることができた。

残り最終日、当初は連休に入って人手が増すことが予測されるので活動せずに観光する予定であったが、結局、ボラセン運営者たちの勢いと見守る皆の優しさで、出来る限りのことをさせていただくことにした。
これまでの流れでは、発災以降、時間と人手をかけて状況をつかみ、チラシなどで全住民に至る災害ニーズの起こしを施した。依頼を受けるようになると、必ず現調に向かう。同時に詳細が挙げられたニーズ表に従ってボランティアが出向いて対応していく。この辺りで、同時進行が追いつかなくなり、どうしても調査内容と実作業時の現場とに差が生まれだす。そうしたやり取りに対応すべくレシーバーでのフォローとなる。依頼に基いてボランティアが対応し、家の片付けや廃棄物の運び出しが幾日もの時間を要して続けられる。道路脇に廃棄物が目立ち出すと、それを集積する必要が出てくる。
ここで協力的な地域のサポートが際立った。各農家さんや企業さんがトラックやダンプを快く貸し出してくださる。集まること30台ほど。実際、早朝に借り受ける現場に人手がいるので立ち会ったが、笑顔で快諾なのだ。普段は野菜を運んだり、飼料を運ぶトラックがボラセン周りに集められたのには感動を覚えた。
リミットの昼まで、トラックでの回収、運搬に関わった。一連の流れがようやく繋がった。
あとは不足部を補いながら、ひたすらな作業。
道民の方達の思いのつながりを強く感じ得たことを見届けて、気持ちよく安平をあとにすることができた。

   

 

(雜記)
宿としてボランティアに無料宿泊させていただけるさかえ合宿所。これもまた事前申請が必要だが、車中泊に比べて単純に寒さをしのげることはもちろんだが、食堂があって部屋数も多くてとても快適である。皆さん優しい方ばかりが滞在しており、必要以上には干渉なく個人が尊重し会える感覚で非常に居心地は良い。感謝、玄関周りを掃除させていただいた。ここで知人からの差し入れをシェア用として提供。
このさかえ合宿所からほど近くの場所に鶴の湯温泉がある。入浴500円、シャンプーと石鹸は各50円。湯治場として古くから存在する。

   

お昼に安平を発ったあと、厚真と鵡川を回ることに。
安平から厚真の道中はかなり土砂崩れもみられ、町中は一見するとさほど被害がなさそうだが、安平でみた様子から屋内はひっくり返っていることは容易に想像がつく。
鵡川まで出ると景色は違う。倒壊する家屋や商店が多数みられ、中心部にボラセンが道の駅を占領するように自衛隊の方などが往来していた。だからといって一般ボランティアが行える作業にすれば、おそらく3つの地域に大差はないと考えられる。
鵡川といえば国産の美味しいししゃもの代名詞。停電の際には苫小牧に避難させていたらしく、無事にゲットすることができた。