第十回 点訳技術講習会

平成15年3月13日(木)
点訳技術講習会(後期) 第十回 レポート

本日の講習では、主にインターネット上での活動について紹介していただいた。この点字の世界においても、めまぐるしい技術開発により、ネットはすでに常識で利用されつつあるのだ。音声によりネット上の文字を読み取ることが出来るため、いろいろと活用されている。私が現在勉強しているパソコン点字も、ファイルとしてデータベース化され、必要なときに、どこにいても取り出せるようになっている。IBMにて、点訳広場というサイトで行っていたものが、今は、”ないーぶネット”として、多くに方が利用されている。それは、NPOの組織化されたものであり、現在140もの図書館や団体とのネットワークが構築されている。もちろんその保有するタイトルもかなりの量で、36000から37000ほどである。登録制となっており、盲人の方などが特別にIDによりいつでもダウンロードすることが出来、そのファイルを点字ソフトを解して、音声で読みあげるといったものである。
実際に、実演していただいたわけだが、普段通りにしていただいた過程においては、追いつかないほどのスピードでこなしておられた。音声読み上げに至っては、おそらく、われわれが新聞等を読むときのスピードに匹敵するほどである。といっても、そこには漢字による視的感覚による読み方も含まれているものとしての比較である。何を言ってるのかはとても聞き分けることは出来ないのだ。人の能力、集中力はまさにすばらしいの一言である。何気に見せられたあと、恥ずかしながら、頑張ってお役に立ってみたいと心に誓った。
実際、私たちが作成する書籍などがこうして読んでいただけることを知って、なんだか嬉しくなった。偉そうに言っても、今の私ではまだまだである。講習は次回で終了となるわけだが、引き続きフォローアップとしてつきに二度ほど講座を催していただく。おそらくそれだけでも足りないだろう。役に立てる可能性に触れたことで、よりいっそう気合がはいった。
本日の後半は、あと残すところわずかになったせいもあり、総評等を語ってくださった。そのとりとめもないことであるが、以下に挙げる。
私たちが今受講している講習会は、前例がない方法がとられたそうだ。一昔とは違って、パソコンの普及が進み、従来の点字版による活動にとどまらない、新しい転機、タイミングで、そのカリキュラムの中に、両方を兼ねた形をどうしてもとらざるを得なかったらしい。今後、更にパソコン点訳を中心として活動が主になってくるようだが、基本的なものは、決して間違うことが出来ない点字板を利用した、シビアなものである。気楽なものでは決してないということをそこで学んだ気がする。基本が何よりもしっかりしていなけれならないことを教えてくださったのだろう。今後更に便利に、より効率よくなされるシステムが開発されていくだろうが、その基本をどれだけ出来ているかが常に問われることになりそうだ。
お話の最後に、薦めいただいた方法として、
この講習を終了した時点で、終了証を手渡される。その時点から、図書館にある点字書物を借りることが出来るそうで、出来れば一冊でいいから点字を読みきることがすべてにおいても力になるとのことであった。読みきれるかどうか、自信はないが、そこにある多くの点字を読み、なれることで、ひとつの解釈が生まれ、講習で教わったことを思い出しながら、定義付けていくのであろう。表示のされ方なども、ぜひ参考にしたいものである。

(参考)
ないーぶネット
http://www.naiiv.gr.jp/
点字ソフト(WIN-BES)
http://www-6.ibm.com/jp/accessibility/soft/winbes99.html

次回、講習会が終了!まだまだレポートは続くだろうけどね。

(つづく)