第十回 点訳技術講習会

平成14年12月5日(木)
2002年度点訳技術講習会 第十回 レポート

 本日は、講習というよりも、ほとんどの時間が模擬試験に充てられた。
問題は、長文の墨字に対して、その文中の点訳が5問、別紙点訳した点字の誤り探し10箇所、点表記された文の虫食い問題、であった。
その解答に対して、特に何を見てもいいとのことであったため、必死になって過去のレジュメや本などを読み返して調べた。とはいっても、そんな簡単に該当する分かち書きがあるわけでもなく、多少てこずる結果となった。
  その文のタイトルは、『午前10時 — 心筋梗塞の好発時間』 というもので、とにかく文中にはややこしい医学用語や英語、カタカナがふんだんに使われている。特に括弧書きなどによる説明書きが多く引用されていたため、非常に苦労した。今までに習った表記に関して、特別悩ませるようなものが多様に用いられていたことで、この模擬試験により、余計に混乱してしまった気がする。
しかし、こうして挙げられた内容とその点字と見比べることで、繰り返し出てくること(POINT)などは、逆に簡単に思えるようにはなってきている気がする。以前から、講師の方もおっしゃられるとおり、”なれ”とはこういう事をいうのであろう。
  最初は一時間のはずの試験が、いつの間にやら30分も延長する結果となった。読み返し、読み返しをして入間に、時間はあっという間に過ぎる。ただ、延長してくださったにも意味がある。確かに、これは時間との問題ではないのだ。それよりも、いかに正確に間違うことなく点字を習得することを意味しているもの。 だから、何を見てもいいといわれたことにもうなずけた。そうは言っても、本当は、逆にプレッシャーなんですよう! 何でもそうで、与えられたものを限られた中で こなす だけでは、大してものにはならないのだと・・・。 自分で解く過程が、更にその責任感をも育てるものだと・・・。

 点字の勉強なのだが、色んなことを教わっている気がした。
そのカリキュラムや、この団体の志にいたる面を、そんなところから垣間見た気がして、とても嬉しく思う。如何に点字表記を覚えるかは、ひょっとして二の次なんだろう。確かにそれは大事なことに違いはないが、そこには必ず、何のためにしているのかを考える時間が与えられているようだ。

 大半を上記内容(模擬試験)で費やしたため、その他の時間に関しては、質疑に充てられていた。その間、前回の宿題を返していただいたが、初めて誉められた。なんてことはないのだが、うまく点字を打てている点を誉められたのだ。点がはっきり押されているとのこと。 何でも良かった。誉められた事実がそこにあることで、なんだかめげかけていた自分にやる気が沸いてきた。 この年になって、喜んでもらうことはあっても、そう誉められることなどはないものである。 これは俄然気合を入れなおさねばなるまい。

 来週は、今週の模擬試験の講評と総復習。そのほかには、実際に点訳などで活躍されておられる諸先輩の方に話を聞くこととなっている。

(宿題)
*点訳
今回の模擬試験同様、少し表記がややこしい文。
タイトルは、『はちとハチミツの統計学』。

(つづく)