第九回 点訳技術講習会

平成14年11月28日(木)
2002年度点訳技術講習会 第九回 レポート

 実際の書き方としての講習に入る。前回までの間で、宿題など実際に点訳する際にも注意されていた点も含み、段落や見出しなどのあらわし方を教わった。

   本文の書き方
  文章の書き始めや段落など行替えの箇所は3マス目から書き(行替え)、ひと続きの文がその行に入りきらない場合は、区切り目から次の行に移して一マス目から書く(行移し)。
  マスあけしないで続けて欠かなければならない語句などがその行に入りきらない場合は、2行にまたがらず、そのまとまり全部を次の行に移して一マス目から書く。
  行の最後のマスまで書ききって行末にマスあけの余裕がなくても、行移しをすることによって、一マスあけ又は二マスあけしたものとみなす。だから、行移しの場合は、行頭でマス空けすることはない。

   見出しの書き方
見出しの書き分け
  見出しは、大きいものほど書き始めの位置を下げて書く。大見出し9マス目、中見出し7マス目、小見出し5マス目が目安。いずれも奇数のマスから書き始めること。見出しが1行に入りきらない場合は、書き始めのマスから更に二マス下げて2行目以下を書く(2行目以降はそろえる)。
  見出しが変わる場合は、前の本文と見出しとの間を1、2行あけたり、線を引いたりして読みやすくする。
  本文がそのページの最後の行で終わった場合は、見出しは新しいページの1行目から書く。見出しが長く、ページをまたがる場合は、全体を次のページに写す。

小見出し符
  本文と同じ行に、ゴシック体や太字でかかれている見出しは、小見出し符(⑥の点+③と⑥の点+空)を後ろにつけて表す。小見出し符をつける見出しは、3マス目から書き始める。
  見出しの語の最初に段落や序列を表す数字やアルファベットがついている場合は、その後ろを二マス空けて見出し語を書き、数字などにピリオドやカッコ類がついている場合はその後ろを一マス空けて書く。

   墨字通りに点訳できないもの
記号の優先順位
第一順位
・句読符の前は続ける。
・囲み符号の内側は続ける。
・破線の前後は続ける。
第二順位
・符号のあとのマス空け(句点の後ろ2マス、文末の疑問符・感嘆符2マス、文中の疑問符・感嘆符1マス、読点・中点1マス)
第三順位
・棒線・点線・矢印の前後1マス。
第四順位
・囲み記号の外側は、他の記号や分かち書きの規則にのっとって書く。

 ここへきて、かなり本格的に見せられることとなってしまった。確かに、これまでの問題や宿題などは、その伝えるないようそのものに重点をおいていたのだが、なるほど、それだけではなく、日常で使われている墨字を想定したものとなってきた。現在、誇張した広告など、色そのものから伝えるイメージの中で、文字の属する意味が省かれてきている。そのようなもののなかから、情報として取り入れて活用していく世の中であろう。イメージを大切にする観点もさることながら、読み手にその視点となる、まとまりや段落、総称して捉える点を設けなくてはならない。伝えたらいいのではなく、伝わりやすく納得・理解してもらうのが第一の目的なのであろう。その意味においても、本日教わったことは非常に大切なとことで、ルールを間違えるわけには行かない。
せっかくの伝達手段として、間違いのない点字であっても、その表記上において、伝える優先順位がばらばらであれば、読み手にしても勘違いも起こしかねない。
  沢山のルールをここでは、教わることとなった。現実、今までの講習の中で教わった点表記のルールも交えると、今回宿題に出された文は、少し腰が引ける思いだ。
手当たり次第に、色んな参考資料を見ながらでも仕上げていかなくてはならない。

(宿題)
*点訳
  段落、記号、数、アルファベット、各種記号が沢山盛り込まれた文。

(つづく)