第一回 点訳技術講習会

平成14年10月3日(木)
2002年度点訳技術講習会 第一回 レポート

 今回から本格的に点字について勉強していくわけである。この講習会のはじめに、館長の挨拶があった。挨拶は、点字の必要性を中心に、理解しやすく述べられた。ご本人も目に障害をもたれておられるが、微塵も感じさせない素振りと、堂々としたその姿勢に力強さを感じた。心のもち方を正すことも学ばせていただくこととなろう。

 さて、講習会である。前期後期を設け、半年間の勉強となる。途中試験があり、後期につながらない場合もある。これから12回にわたって前期の講習会となり、毎週木曜日13:30~15:30が予定とされる。無論、その時間だけでの勉強で身につくものではない、宿題を与えられ、その時間も有効に当てて、習得を目指すこととなる。この講習会にあたっては、専門的に技術を追求する方、ある程度の基礎を会得し、それぞれの分野で普及活動に役立たせる方などが参加している。私の場合は、後者に含まれる。社会において、だいそれたことは、一個人としてできるとは思わないが、幸い私自身は店を商っている。そこで、こういった団体の真剣な活動を一人でも理解していただき、まがい物でない、本来の意識の普及にお手伝いできれば…。
  企業が、点字表示商品の開発されることや展示の企業内セミナー、及び資格制度が設けられてきている。評価は、どちらともいえないのが現状のようだ。
決して営利目的ではない、心の通ったものの普及を心がけなければ意味はない。心の通ったもの、すなわち、相手の気持ち、立場になることを忘れてはならない。

点字の歴史
  ローマ時代・・・タベラ文字(盲人用に考案されたはじめての文字)
1825・・・ルイブライユLouisBrailleが6点点字を考案

点字の意義
  文字には色々ある。書いてあるものを読む文字。音で聞く文字。手で触る文字。
点字の歴史上、他の文字とはかなり遅れたかたちとはなったが、これにより、視覚障害者が自分で読んだり書いたりする『文字』ができたといえる。
近代にいたっては、点字サイン、ユニバーサル商品なるものが少しずつ普及し、小学校の現代国語教科書にも表示されるにいたる。
そこには、“障害者がいるということ”を忘れてはならない。

点字の概要
点字と墨字
視覚障害者が主に指を使って読んだり書いたりする文字を『点字』といい、それに対し、晴眼者が目を使って読んだり書いたりする文字を『墨字』という。比較すると以下のようになる。
点字 墨字
触読文字 視覚的(目読)文字
表音文字 表音文字・表意文字
一時的把握 継時的把握
部分 ⇒ 全体 全体 ⇒ 部分

点字の特徴
  点字では、情報を理解するのに、一文字毎を理解し、全体を把握する。我々における文字は、ただ気にすることなく、全体の構成を捕え、感じた上で、ここをつなげ読む。これは、ただ同じ情報が、漢字で部分がひらがなで表記してあるだけでも読み辛くなることを考えれば、点字はより違う捕え方をしていることを理解すべきことである。
さらに点字の場合は、文字による強弱、カタカナ、英表記、色表示などがあるものではなく、22音32升内の6点を読むわけであるから、より正確に伝えることは最低必要となる。

点字の構成
  六つの点で構成されるパターンは、スペース表記を除いて、63通り。母音が基本となり、行によって組み合わされる。
ルールはほとんど決められているので、思ったより難しくない らしい !

(宿題)
かかれた点字の墨字訳
……しりとりになっている。

(つづく)